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スペインの解雇問題と対処法
スペインの解雇問題と対処法

〜 おまかせマドリード代表 大畠有可の体験ブログ 〜

おまかせマドリード代表の大畠有可です。

今回は、スペインで働いている方、これから仕事に就きたいと考えて方に役立つリアルな情報をご紹介します。
「解雇問題」は自分とは無関係のものだと思っていても、いつ何が起こるかわかりません。
マドリードで実際にあった例を参考に、対処法や自分を守る権利について理解を深めてください。

スペインで突然「クビ」と言われたらどうする?

「スペインで働いていたら、突然解雇を宣告された」
信じられないようなこんなトラブルが、実際にスペインで生じる場合があります。私、大畠自身も、同じような経験をしたことがありました。ワーキングホリデーでスペインに来て間もない頃、働いていた先に残業代を求めたとところ、突然解雇を宣告され、翌日「この書類にサインをして」と言われたのです。

その時はスペイン語が読めず、たまたま親しくなったお客様に相談し、一緒に書類を確認してもらいました。すると、「この紙には絶対にサインしてはいけない」と助言を受けました。

書類には安易にサインをしないこと!

その書類には「自分から職場を辞めた」と記載されており、サインしていたら解雇ではなく自己都合退職とされていた可能性がありました。

スペインでは法律上、雇い主側がどのような理由をつけようとも、働き手を解雇したら解雇手当などの支払い義務が発生します。しかし、自己都合退職となると、その支払いが行われません。

そのため、書類の内容をよく理解できていないままサインをしてしまうことにはリスクがあります。

もしあなたがスペインで突然解雇を言い渡されたら、焦らず冷静に対応すること。解雇後に契約書にサインを求められたら、内容を把握するまで絶対にサインをしないようにしましょう。

もし、一人では判断がつかなかったり不安があったりする場合は、私たち「おまかせマドリード」にご相談ください。

 スペインで実際に起きた解雇例

スペインの労働法では、解雇には正当な理由が必要とされています。もし解雇が不正である証拠を提示できれば、その解雇は無効となります。

実際に、「これがダメだった」「あれもダメだった」と言われて突然解雇されたお客様がいらっしゃいるので、その方(Aさん)の例をご紹介します。

※お客様の承諾を得て情報を共有いたします

明確な解雇理由があるかどうかがポイント

Aさんは、スペインで2年間きちんと仕事を行い、出勤時間もすべて守っていました。しかし、会社側から突然解雇を告げられ、その後、解雇に伴う手当も支払われませんでした。

納得できなかったAさんは、弊社の弁護士を通してすぐに労働調停を申し立てました。すると、スペインの会社側は早期の解決を望みました。それは、Aさんを解雇した理由が不十分であり、裁判になれば自分たちが不利になるという認識が会社側にあったためです。

最終的には、会社側が提示してきた金額7,000ユーロで示談となり、Aさんが労働調停に申し立ててから約2週間で問題は解決しました。

※労働調停(労働仲裁)において、解雇理由が不正または虚偽であることを証明することで雇用履歴の削除を求めることも可能です。一部の企業では採用時に以前の雇用主に対して職歴の照会を行う場合があります。これが将来の採用に影響を与える可能性があるため、不正な解雇や雇用記録を残さないようにすることができます。

スペインで解雇される理由と解雇(クビ)の種類

スペインでは、労働者は様々な理由で解雇される可能性があり、その解雇が正当な解雇か不正な解雇かによって分類が異なります。以下に、解雇の種類をご説明します。

1. 正当な解雇(解雇理由が法律に基づく場合)

a) 懲戒解雇

懲戒解雇は、労働者の不適切な行動や職務違反に基づく解雇です。主に次のような理由が挙げられます。

  • 遅刻や無断欠勤
  • 業務命令に従わない
  • 暴力行為や言葉による暴力(雇用主、同僚、顧客に対して)
  • 信頼を裏切る行為不正行為
  • アルコールや薬物の使用
  • 会社の機密情報の漏洩

b) 客観的解雇

客観的解雇は、企業の経済状況や業務上の必要性に基づく解雇です。具体的には次のような理由があります。

  • 経済的困難(売上減少、業績悪化など)
  • 技術的な変更や業務内容の変更に適応できない場合
  • 労働者の適応能力の欠如(例えば、業務内容や新しい技術に適応できない場合)

スペインで解雇に直面した場合、その理由を正確に把握することが非常に重要です。解雇が正当であるのか、不正であるのか、または無効であるのかを確認することが、適切な対応を取るための第一歩となります。

ここで紹介したもの以外にもスペインでは解雇の種類があるため、もし解雇が不正であると感じた場合には、労働法に詳しい弁護士に相談し、必要であれば訴訟を起こすことを検討することもおすすめします。

スペインで解雇された場合の対応方法

スペインで解雇された場合、解雇が通知された日から20営業日以内に異議申し立てや労働仲裁を行うことができます。

異議申し立てを行う際の重要なポイント

  1. 解雇後20営業日以内に申し立てを行えば労働調停が可能です。しかし、20日を過ぎてしまうとすべての手続きが無効となってしまいます。
  2. 「20営業日以内」とは、土曜・日曜・祝日を含まない平日の営業日のことを指します。
  3. 裁判所に訴える前に、労働仲裁を試みることが法律で義務付けられています。これは各自治州の労働調停のことで、執行には弁護士が必要となります。

労働に対する賃金を受け取る権利

スペインでは、すべての労働者が移民ステータスや契約の有無に関わらず、自身が行った労働に対する正当な賃金を受け取る権利があります。たとえ雇用契約書がないとしても、雇用主が労働者に賃金を支払う義務を免れることはできません。また、ビザがない状態で働いていた場合でも、労働者には労働訴訟を起こす権利が与えられます。

労働訴訟を起こす権利

未払いの賃金を請求するために、訴訟または訴訟前の調停手続きを開始することができます。
その際、次のような証拠を用意することが重要です。

  • メッセージやメール
  • 部分的な支払いの受領書
  • 証人の証言など

これらは、労働者が実際に業務を遂行していたことを示す重要な証拠になります。

雇用主への罰則

雇用主が契約なし、または非正規の状態で労働者を雇用していたことが判明した場合、厳しい経済的および法的制裁を受ける可能性があります。

  • 不正雇用に対する罰金
  • その他の法的措置

スペインで労働者を解雇できない例

スペインでは、労働者の基本的な権利を保護するために、特定の状況での解雇が禁止されています。
解雇が認められない主な理由は次の通りです。

1. 妊娠、出産、育児に関連する休暇中の解雇

  • 妊娠中出産休暇中育児休暇中の労働者を解雇することは無効となります。解雇するためには、非常に重大な理由が必要で、裁判所によって確認されなければなりません。

2. 病気やケガによる一時的な欠勤中の解雇

  • 病気や事故による一時的な労働不能(労働者が病気や事故で休養中)である場合、解雇は基本的に禁止されています。ただし、解雇理由が業務とは無関係であり、適法な場合のみ解雇が認められます。

3. 差別的な理由による解雇

  • 性別人種性的指向年齢障害宗教政治的信条などに基づく差別的な解雇は禁じられています。

4. 基本的な権利を行使したことによる解雇

  • 労働組合活動ストライキ権の行使労働条件に関する苦情など、労働者が自分の基本的な権利を行使した場合に解雇することはできません。

5. 職場でのハラスメントを訴えたことによる解雇

  • 職場でのハラスメント違法行為の告発を行った労働者を解雇することは、法的に禁止されています。

6. 裁判や行政機関への訴えによる解雇

  • 労働訴訟労働監査機関(労働基準監督署など)への苦情申し立てにより解雇することはできません。

これらのもとでは解雇は無効とされ、労働者は再雇用または解雇手当を受けることができます。

おまかせマドリードからのアドバイス

不当な解雇に困ることがないように、スペインで仕事をする際に意識したいポイントを最後にまとめました。

  1. 携帯電話を持つ
    いつでも携帯を持ち歩くことが大切です。例えば、iPhoneにはGPS機能があり、自分が勤務していた時間などを証拠として残すことができます。
  2. 勤務時間をメモする
    自分が勤務した時間や残業時間を日々細かく記録しましょう。特に、タイムカードがない職場では、勤務時間の証拠として重要です。
  3. 雇用契約書を確認する
    スペインではアルバイトや研修期間中でも、契約書が必要で、きちんと支払いが行われます。契約書はサインする前に必ず勤務時間や最低賃金が守られているかを確認してください。
  4. 解雇後20日以内にすぐに相談する
    解雇後、労働調停は総省を通さずに直接申し立てることができます。ただし、20日を過ぎると行動できなくなります。解雇された場合は、できるだけ早く専門家に相談しましょう。
  5. やり取りと連絡はすべて記録が残る方法で行う
    記録を残すことは証拠になります。必要に応じて会話を録音したり、メッセージのやり取りを保存することをおすすめします。ダウンロード可能なアプリやメールを利用して、すべて記録を取るようにしましょう。

困った時は、ご相談ください!

適切に対応することで、スペインでは誰もが働いた分の賃金や解雇に伴う補償金を受け取れ、労働者としての権利を守ることができます。

「スペインでの仕事について悩んでいる」
「スペインで契約なしで働いていて未払いがあった」
といった方は、スペインの法律に詳しい優秀な弁護士がサポートを行う「おまかせマドリード」にご相談ください。

「おまかせマドリード」では、スペイン労働弁護士相談を60分 205,70 €(税込)で提供しています。

自分の権利は自分の行動で変わります。状況を整理し、迅速に対応して、一緒に解決へ向けて進んでいきましょう!

PRECIOS / ご利用料金
スペイン労働弁護士相談 60分 205,70 €

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